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【試し読み】明秀学園日立高校指導者座談会「一つの部の喜びをみんなで分かち合う」【インタビュー】

【試し読み】明秀学園日立高校指導者座談会「一つの部の喜びをみんなで分かち合う」【インタビュー】

※2月22日発売の「yell sports 茨城 vol.11」の記事から一部を抜粋して掲載します。

近年、運動部の活躍で注目を集めている明秀日立高校。
その躍進の要因は定期的に指導者が集ま意見交換をかわすなど、
部の垣根を超えた指導者のつながりにあった。
なぜそのような関係が生まれたのか。
そして、これからどういう関係を築いていくのか。
野球部の金沢成奉監督(写真中央)、女子バスケットボール部の筑波大監督(写真右)、サッカー部の萬場努監督(写真左)にお集まりいただき、話を伺った。

キャリアをデザインする
考えで「チーム明秀」誕生

--みなさん、日頃からかなりコミュニケーションを取られているとのことですが。
筑波:金沢さんにリーダーシップを取っていただき、そういう機会を作ってもらっています。
金沢:いや、筑波先生主催で「指導者育成塾」を開催しているんですよ。その存在が大きいと思いますよ。
筑波:野球部のトレーナーの能勢(康史)さんという方がいるのですが、能勢さんが中心となって開催しているんです。我々も能勢さんから学びたいことがたくさんあるのですが、一番いいのは横のつながりを強くして、お互いに学びを深めようということで、そういう場を作ったらいいんじゃないかというアイデアをいただきました。それで明秀日立の運動部の顧問の先生たちが学び合う「指導者育成塾」を開催することとなりました。また、指導者は部活に限った話ではないので、進学の先生たちにも参加していただいて、みんなが指導者としてレベルアップしていこうというスタンスで集まって勉強会を行うようになりました。
――具体的にどういう活動を行われているのですか?
萬場:筑波先生、金沢監督、能勢さんが中心となって、大会が終わった後の振り返りや部活の指導理念などをお話いただいています。それぞれの指導者で理念が異なるところもあるのですが、それを否定するのではなく、自分たちの中に取り込んでどう生かすかということを狙いとしています。また、若いコーチが多く参加しているのですが、彼らにとってもいい勉強の場になっていると思います。
筑波:一番大きなきっかけはやはり金沢監督が赴任してきたことですね。それまでは僕も萬場先生もあまり野球は好きじゃなかったんですよ(苦笑)。いや、前任の先生との関係が悪かったわけではありませんし、頑張っていらっしゃるのも見ていました。でも、やっぱり野球はメディアにも注目されますし、華やかな舞台で試合ができるので、嫉妬している指導者は少なくありませんでした。でも、金沢監督が来て最初にお会いして話をしたときに印象がガラッと変わったんです。今までとはまったく異なった考えのお話を聞くことができました。それでこの人からもっといろんなことを学びたいと思うようになりました。金沢監督は野球のことだけでなく、学校のことや他の部のこととかを考えてくれていたんです。
――金沢監督は常に「学校力」がなければ、全国では勝てないということを常に仰っています。
金沢:今、両先生が言われたことは過大評価だと思っています。結局、最終的には大事なのは自分自身なんですよ。自分自身が勝ちたいですし、日本一になりたいという目標があります。その目標を達成するためにも大切だと今までの経験で気づいたのは「学校力」なんです。学校の力を養うのは人と人のつながり。まず、教員のつながりなくして、生徒のつながりができるわけがない。ですから、我々教員が同じ方向を向くことができれば、子供たちはそういう姿を見て、一つの力になっていく。野球というスポーツではそれをすごく感じるんですよ。特に甲子園のアルプススタンドの応援の力はすごいんです。自分には日本一になりたいという目標があるので、そこに着目しながら、ずっとやってきました。その考えにたまたまこの2人の先生に共鳴していただいたということです。2人がいなければ、前には進みませんでした。大事なのは子供たちのキャリアをデザインしていくこと。そこに部活の垣根は関係ないということを能勢さんが強く訴えてくれたのです。それに運動部だけでなく、進学の先生たちにも共鳴いただいた。そこからですね。「チーム明秀」という言葉が出てきたのは。一つの部の喜びをみんなで分かち合うという雰囲気が出始めてきた。それが成熟しつつあると感じています。