プロスポーツ

【コラム】「昨季以上の『何か』を残すために、覚悟を胸にプレーする前寛之」#水戸ホーリーホック

【コラム】「昨季以上の『何か』を残すために、覚悟を胸にプレーする前寛之」#水戸ホーリーホック

第10節岐阜戦、チームに勝利をもたらしたのは前寛之の一撃だった。
0対0で迎えた53分、CKの流れからペナルティエリア前でボールを受けた前はマーカーを振り切り、左足から放たれたボールは鋭い弾道を描きながら、ゴールネットに突き刺さった。

開幕からボランチとして全試合フル出場を果たしている前はチームに欠かすことのできない存在だ。中盤の幅広いエリアをカバーし、ボール奪取を繰り返す。そして、ボールを奪うと、的確な判断で攻撃を組み立てる。攻守においてチームを支える、まさに“心臓”としての役割を果たしている。

前は昨季コンサドーレ札幌から水戸に期限付きで加入。チーム始動直後に骨折し、序盤戦を欠場したものの、復帰後は全試合フル出場を果たしてチームの軸を担った。シーズン終了後、前のもとには複数クラブからオファーが届いた。しかし、前はオファーを断り、水戸残留を決断した。

その理由をこう語る。「『どこでプレーするか』よりも『何を残したいか』ということを重視して答えを出しました」。昨季水戸はクラブ史上最高の10位という結果を残した。だが、前にとって満足できる結果ではなかった。それ以上の「何か」を残すために前は水戸での戦いを決断したのだった。

「さらなる上」への覚悟を込めてプレーする前。その気迫がプレーの随所に表れている。岐阜戦のゴールはまさに思いが凝縮された一発であった。現在、水戸は開幕から10試合負けなしで首位に立っている。だが、まだ通過点に過ぎない。「何か」を残すために、前は戦い、そして、進化し続ける。